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「ふるさと、奄美に帰る」

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今日は、とある活動のご紹介です。
   
熊本に「菊池恵楓園」があります。ここは、国立ハンセン病の療養所。この療養所内の「金陽会」は、当時、恵風園で暮らし、絵を描くことが好きな人たちが集まって1958年に発足された歴史ある絵画クラブ。しかしながら、高齢化によりメンバーの多くの方がこの世を去り吉山安彦さんただ一人となりました。現在は、吉山さんを中心に絵を習いたい人々が恵楓園以外からも集まり、絵画クラブとして今もなお活動は続いています。
   
実は、この「金陽会」には850点を超える絵画が残されています。ハンセン病に対する差別から、故郷に帰ることも、家族に会うことも、または身分を明かすことも出来なかった方々の生きた証となる作品群。一昨年から、これらの作品を調査し保存する活動がはじまりました。途中、熊本地震に見舞われましたが、幸い作品を保管していた建物も倒壊は免れ、作品たちもどうにか無事でした。
  
自宅から近いということもあり、また、素敵な作品に間近に触れられるという喜びもあり(だって素敵な作品がたくさん!)、作品調査と保存活動に、個人的に時々お手伝いに行っています。この活動の主軸となる人物、蔵座江美さんは、熊本市現代美術館で開催された「キオクの森から」の担当学芸員さんでもあります。そのような繋がりもあり、時間がある時に限るので頻繁には行けてないけれど、時々「菊池恵楓園」にお邪魔するようになったというわけです。
  
さて、長くなりましたが、やっと本題です。
  
850点以上もある作品群の中には、故郷に帰ることも出来ない方々が、故郷を想い描かれた作品もたくさん残されています。作品調査をはじめて間もない頃、「いつか作品だけでも里帰りさせてあげたいなあ」と言う蔵座さんがいました。私もいつかそんな日がやってきたら素敵だなあと思っていました。
  
そして、蔵座さんのコツコツと続けて来た活動が実を結び、今年の春、なんと「里帰り展」が実現することになったのです。今は亡き、大山清長さんの故郷である奄美大島にて作品展が開催されることが決まりました!
  
ただ、展覧会には相当な費用がかかります。作品を送るだけでも郵送費や梱包資材やその他いろいろ、たくさんの経費がかかります。全てボランティアでまかなっている活動に大きな予算はありません。そこで、作品展を成功させるために!と、応援してくださっているご縁のある方が「クラウドファンディング」を立ち上げてくださったそうです。残り10日と、すでに時間がない中でのご紹介となって申し訳ありませんが、もし、応援するよー!って方がいらっしゃいましたら、どうぞ、よろしくお願い致します。
  
ヒューマンライツふくおか(blogにて作品調査・保存活動の報告が見れます)
http://human-rights-fk.com/
   
クラウドファンディングのページ
https://camp-fire.jp/projects/view/52872

       
*「ふるさと、奄美に帰る」のチラシのデザインを担当させていただきました。